SNKRS LIFE

スニーカーとシュプリームを通したアパレルの話。元国内外セレクトショップバイヤー、ラグジュアリーブランドMD等アパレル業界に固執していた人間が業界を離れ、俯瞰で業界を見てみようかな~と思って書くTwitterみたいなblog

外資になるatmos 

ごぞんじ

atomsですが、ついにFoot Lockerに会社を買ってもらったみたいでね。

元々atmosは並行輸入から原宿でスタートして、今はたしか年商190億。仕入小売りなので固定費、流動費を引いて利益額は約年50億ぐらいかな。どのくらいの内部保留があるかわかりませんが、、、相当な在庫を抱えていると思う。この在庫がapparelは特にキツイ。私の経験値から思うに、倉庫も毎月数千万ほどかかると思います。で、Apparelは流行りがあるので売れなければずっと残る。どうやっても売れないので減価償却ではないが、だいたい5,6年ぐらいで原価を0にする。そうでもしないと資産に対して税金がかかるのでたまったもんではない。あえて価値を無くすのだ。そしてお金をかけて廃棄処分となる。そして原価0にしても廃棄にはお金がかかる。

 

たぶんですがatmosあたりですと廃棄すると思いますが、現金化するために他国へ流す方法を持って入ると思いますが、、、

私の経験話になるがアパレルだと不良在庫を現金で買い取ってくれる業者がある。

もちろん足がつかないように口は堅い。ただし無茶苦茶に叩かれて一着いくらではなく、コンテナやラック一本30万で×20ラックあるから600万とか。。。もちろんこの場合は一点単価がそこそこの物の話。一般的にはもっと叩かれます。倉庫まで買い取り業者がきて、好き勝手にピックアップして値段を決める。良い点は即現金が手に入る事と、コレは売れんだろうというものも間違ってピックして持っていってくれる。こうでもしないと毎年上がる予算に対して仕入れを起こすので物が余り続ける。ファミリーセールなんかでは在庫はなくならない。倉庫在庫は膨らみ、倉庫のエリアは拡大して膨大な金額になる。シューズ類は特に箱で場所をとり、縦積みしにくいので面積もとる。厄介なんです。

 

話を戻して、内容はこんな感じ。

今、小売企業を買ってくれるところはなかなかない。なので、この話が来た時にatmosの判断は正解だったのかもしれない。今後、リスクの高い仕入小売りが伸びるとは私は思はない。コロナのせいもあるが半年前にオーダーしたものが着地時点で読めなさすぎる現状。買取金額にもよるが、この金額なら経営陣からしたら正しい決断だと思う。

 

今、Apparelは本当に大変だ。

社員を多く抱えていて、年商50億以上のアパレル会社は買い取ってくれる企業があれば、他業種であったとしても売ったほうが幸せなのかもしれない。経営者は従業員の今後のことは正直二の次で良いと思う。

それよりも私なら老後までの内部保留があるなら、農業や釣りとか、好きなことをして暮らしたい気分。本を読むのも旅行もいいだろう。

 

どんどん衣料物販は厳しくなると思う昨今。コレクションを画像で見ても面白くない。一時的に高揚はするが、すぐに現実に戻される。

毎回書くが、オシャレすることがオシャレではない時代になったと思う。

 

私はApparelに未来がないとは言わないが、あまりにも未来が見えなくなった。

 

だれも読めない時代になった。

ただコロナが終息したとしても、この状況は続くであろう。

 

 

Even if I knew that tomorrow the world would go to pieces, I would still plant my apple tree.

 

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